英語を話さなくても生活ができる環境にいて、
日本に居住し、日本語を母国語とし、
日本語で教育を行う学校に在籍している中学生が
〝英語で” 英語を学んだらどうなるのか。
生徒や保護者の方からよくいただくのが、
「もうすぐしたら、中学校の英語は英語で教えることになるのですか?」
という質問。
ちょっと前、2013年に文部科学省が発表した
<グローバル化に対応した英語教育改革実施計画>
を受けての質問ですね。
これは、2020年のオリンピックを見据えての改革なんですが、
・・・成功する気がしない、というのが正直なところです。
また、グローバル。
まずはこの言葉も定義づけちゃんとしていただきたいのですが、
その話はまた別の機会にするとして。
中学生に英語で英語を教える。
そんなことをしたら余計に英語力の低下を招くのでは??
言語運用能力に秀でた生徒をあらかじめ選抜して作ったクラスでの実施、
すなわち、エリート教育、
(この言葉が適切なのかどうかは分かりませんが)
のような形式であれば効果は出せると思います。
しかし、中学生全員に向けた授業となると、
英語を嫌いな中学生を大量につくってしまうだけのような気がします。
その〝グローバル化”に対応した英語教育改革実施計画、ですが
1)中学校の英語は授業を英語で行うことが基本
2)小学校高学年:教科型・週3コマ程度
3)外部検定試験の活用
4)大学入試に英検、TOEFL等の資格・検定試験等の活用の普及・拡大
などが含まれています↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/12/1342458.htm
中学で英語の授業を英語で行う???
英語のルールも単語も知らないのに???
母国語を使わず、いきなりその英語で学習する???
・・・
・・・そもそも、そんなこと押し付けられた中学校の先生方・・・
絶句されておられる方が大半のはず。
英語で授業をするには、「英語で授業をするスキル」が必要です。
職業柄、色々な学校の英語のテストを見せていただいていますが、
先生方もよく工夫され、相当苦労もされておられる様子。
母国語で教えていても苦労している英語教育の現場・・・
生徒側も、教師側も、「英語で授業を行う」、
なんて本当にできるのだろうか。
私は、英語を使う環境が殆どない今の日本で、
「英語脳」
とか、
「英語を聞き流すだけで英語の達人になる」
といった言葉やフレーズを信用していません。
また、
「英語で考えて英作文せよ。」、
「前から前から訳せ。」
というのも上級者以外かなり無理があります。
これもレベルにもよりますが、
中学生が英英辞典を使用することにも効果を感じません。
英語は基本、
日本語で学ぶ
べきです。
エコスコラを始めた14年前から一貫してお伝えしているのは、
「日本語が分からないから英語が分からない」ということです。
どうしても覚えられない単語も、問題は日本語力。
読解問題が解けない、
文法問題が苦手。
これもそれもすべて日本語力に関係します。
英語を学習する際に、日本語がわかっていないから英語ができないのです。
逆を返せば、
日本語さえしっかりと理解できれば、英語も理解できる、
ということです。
なのに、
「英語なかなかできるようにならないから、日本語やめて、英語で教えちゃおう!」
とやっても何も解決しません。
そもそも、
日本語の力が足りなくて、
日本語で教えてもらっても分からなかったのに、
未知の言語である英語で教えてもらって
英語が分かるはずない!
ですよね。
「国語は得意です。」
「日本語の力が足りないってことはありません。」
「なのに英語できませんけど?」
とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、本当に日本語の力をお持ちの方は
英語もできるはずです。
国語力が関係ないとすれば、発音のうまい下手くらいでしょうか。
これから何回かに分けて、
日本に住んでいて、母国語が日本語の人は
なぜ英語を日本語で学ぶべきなのか
書いていきたいと思います。
<写真提供 ペイレスペイジズ>
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エコスコラ 代表
松岡 佑委